国際ブランド(VISA・マスターカード・JCB・アメックス・ダイナースetc…)の違いと特徴

クレジットカードの「国際ブランド」とは?
国際ブランドはクレジットカードの種類!日本には5種類の国際ブランドがあります
クレジットカードには「国際ブランド」があります。簡単に言うと「種類」に近いです。
- VISA(ビザ)
- MasterCard(マスターカード)
- JCB(ジェイシービー)
- American Express(アメリカンエキスプレス)
- Diners Club(ダイナースクラブ)
…というものです。下記のブランドロゴで知られています。
これが「5大国際ブランド」と呼ばれるもので、これに、
- UnionPay(銀聯:ぎんれん)
- Discover(ディスカバー)
の2ブランドを加えて「7大国際ブランド」と呼ぶこともあります。こんな感じです。
以下、これらのクレジットカードの国際ブランドの違い・メリットなどをまとめていきます。
国際ブランドの特徴とスペック
まず、上に一覧にした「7大国際ブランド」の特徴を、それぞれ一覧にします。
国際ブランド名 | 誕生国 | 売上高の世界シェア | 特徴 |
---|---|---|---|
VISAカード | アメリカ | 48.5% | 世界で一番使えるクレジットカード。世界中で加盟店・エリアが多い |
マスターカード | アメリカ | 31.7% | VISAに次ぐ2大ブランド。伝統的にヨーロッパに強い |
JCBカード | 日本 | 2.5% | 日本でトップシェアのクレジットカード。国内での使い勝手は最高 |
アメリカン・エキスプレス・カード | アメリカ | 8.2% | 初めてゴールドカードを作ったステータスカードブランド |
ダイナースクラブカード | アメリカ | 0.2% | 世界初のクレジットカード!ステータスカードブランド |
銀聯カード | 中国 | 8.9% | 中国でトップシェア。デビットカードも多く中国人観光客の利用者が多い。 |
Discoverカード | アメリカ | 1%以下 | 百貨店のハウスカードとして誕生。アメリカ国内で強い |
という風です。以下、それぞれのブランドについて簡単に書いていきます。
VISA(ビザ)…VISAカードは世界№1のクレジットカード
VISAは「国際ブランドの中で、一番使いやすい」と言っていいでしょう。「使える国・地域の多さ」「同じ国の中での、加盟店の多さ」の両方で、5大ブランドの中でもナンバーワンとなっています。
VISAの名前の由来は?
VISA(ビザ)の名前の由来は、「Value Issuer Sevice Area」の頭文字をとっています。海外旅行などで必要になる「査証」のビザとは、関係ありません。
歴史をたどると、
- 1958年に、バンク・オブ・アメリカが始めた
サービスで、50年以上の歴史を誇る国際ブランドとなっています。
三井住友VISAゴールドカードの概要
年会費 | 10,000円+税※条件付き割引あり |
---|---|
ポイント還元率 | 0.4%~ |
審査難易度 | ランクA 難関クラス |
審査の日数 | 最短3営業日 |
決済業務のシェアはナンバーワン
クレジットカードの「国際決済業務」のシェアでは、VISAがナンバーワンとなっています。要するに「世界で一番、よく使われているクレジットカード」ということ。
たくさん使われていれば、当然販売機会を増やしたい商店などもこぞって導入するので、「加盟店・エリア」の広さでも、ナンバーワンとなっているわけですね。
この辺、クレジットカードの世界も「勝者が全てを持っていく」ようになっているのですが、何はともあれ、一番便利なクレジットカードなので「どれか一枚のブランドだけ持つ」という時には、VISAを選ぶべきでしょう。
VISA本体は、クレジットカードを発行しない
実はVISA(ビザ)という組織は「決済業務」だけを担当しています。つまり、
- AさんがVISAを使い「ドン・キホーテ」で買い物する
- ドン・キホーテが、VISAに「Aさんの決済」について、照会する
- VISAが「はい、OKです。Aさんはまだ融資枠があります」と応える
- Aさんの買い物が、無事に完了する
…という風ですね。この「回答する」というのはあくまで例え話ですが、イメージやシステムとしてはこういう風になっている…ということです。
で、VISAはクレジットカードを発行しないなら、誰がVISAカードを発行しているのか。これは、
- 銀行
- 百貨店
- 家電量販店
といった「私達が、日頃よく目にする会社・金融機関」なんですね。
VISAからライセンシングされた会社が、発行する
VISA(ビザ)は、先に書いた通り「決済業務」だけを担当します。そしてVISAが「うちのシステムを使っていいですよ」とライセンスを出した企業だけが、「VISAカードを発行できる」わけですね。
こうしてライセンスを受けた企業の中で一番有名なのが、「三井住友カード」です。三井住友カードというのは「クレジットカード会社の1つの社名」ですが、ここが発行するVISAカードが、有名な「三井住友VISAカード」です(VISAカードといったらこれ…という「代名詞」的な存在になっていますね)。
三井住友VISAクラシックカードの概要
年会費 | 実質無料※通常は2年目から1,250円+税 |
---|---|
ポイント還元率 | 0.4%~1.0% |
審査難易度 | ランクB 上級クラス |
発行期間 | 最短3営業日 |
コンビニから航空会社、ショッピングサイトまで幅広く対応
で、他にもVISA(ビザ)からライセンスを受けてVISAカードを発行している企業はたくさんあります。たとえばローソンも、「ローソンPontaカードVisa」を発行していますし、その他、
などの有名なクレジットカードも、軒並み「VISAカード」を発行しています。
MasterCard(マスターカード)…欧州とレストランに強い№2
VISAに次いで、世界で多く使われているクレジットカードが「Master Card(マスターカード)」です。元々、「Euro Card」と提携していたため(2002年に吸収合併)、伝統的にヨーロッパに強く、欧州を旅するならマスターカードと言われていました。そのため以前は「ヨーロッパ中心」と言われていましたが、今では世界のどこでもほぼ均等に使えます。VISAと並び立つ国際ブランドです。
ヨーロッパに強い国際ブランド! VISAと並び立つ
VISA(ビザ)と同じく、Master Cardの会社も「決済業務だけ」を担当していて、カード発行をするのは、個別の銀行・量販店・百貨店などとなっています。
たとえば日本だと「アコム」などもマスターカードを発行しています「ACマスターカード」というものですが、このように「それぞれの会社・量販店・銀行」などが、
- MASTERからライセンスを受けて、
- 独自のMaster Cardを発行する
…というシステムになっているわけですね。
アコムACマスターカードの概要
年会費 | 無料 |
---|---|
ポイント還元率 | 無し! しかもリボ払い専用! |
審査難易度 | ランクG 超初心者クラス |
発行期間 | 最短即日 |
MASTERとVISA、どちらがいいのか?
これは、単純比較できません。ポイントをまとめると、
- 使える加盟店・エリアはほとんど同じ
- なので、個別のカードの「サービス」で決めた方がいい
- どうしても一枚しか持てない、というならVISA
となります。こう書くと「VISAの方がいい」という結論のようですが、あくまで「絶対に一枚だけ」という場面なら、という話です。実際にはそのようなことはないはずなので、「基本的に、VISAとMASTERの優劣はない」と考えて下さい。
還元率やサービスの内容で決める
Master CardもVISAも、それぞれのブランドは「決済業務だけ」担当しています。そして、これらのカードを発行するカード会社や百貨店などが、「それぞれの独自のサービス」を付加するわけです。
たとえば、大手カード会社の「ライフカード」が発行するMaster Card、「ライフカード<年会費無料>」です。これのメリットは、
- ライフカードが運営するショッピングモールで買い物すると、
- ポイントが「最大で25倍になる」
…というもの。他にも海外旅行の保険などいろんなメリットがありますが、MASTERでもVISAでも、それぞれのクレジットカードにこういう「特典」がついているわけですね。
なので、その特典やポイント・マイルの還元率などを見て、どちらにするか決めればいい…ということ。ちなみに、このライフカードの場合も「MASTERとVISA、どちらでも発行できる」となっています。つまり、どちらでも特典は同じ、ということです。
そういう場合は、使える加盟店の数、エリアで決めた方がいいので、ギリギリではありますが「VISAの方が有利」と言えるでしょう。(実際、大した差はないのですが一応)
ライフカード<年会費無料>の概要
年会費 | 無料 |
---|---|
ポイント還元率 | 0.5%~3.3% |
審査難易度 | ランクF 初心者クラス |
発行期間 | 最短3営業日 |
MASTERが使える場所なら、VISAは大体使える
私は主にアジア・アフリカの各国で海外生活をしてきましたが、その経験からいうと「MASTERが使える場所なら、VISAもほとんど使える」といえます。逆に「VISAだけ使えて、Master Cardが使えない」ということは、たまにあります。
日本の場合、VISA・Masterの片方が使えれば、両方使えるということが多いですが、海外だとマイナーな地域やお店だと「VISAだけ」ということが、稀にあるんですね。
なので、特に海外旅行によく行く人、海外生活・留学などをする人の場合、VISAにした方がいいでしょう。
JCB(ジェイシービー)…国内シェア№1!日本で一番使いやすい
JCB(ジェイシービー)は、日本のカード会社が発行している「日本発の国際ブランド」です。日本で生まれた国際ブランドだけあって、日本での加盟店数・ポイントの還元率などは、一番高いと言われます(加盟店についてはVISA・Masterが公表されていないので、比較が難しいのですが)。
日本独自! アメリカ以外で唯一の国際ブランド
JCBの名前の意味は「ジャパン・クレジット・ビューロー」の頭文字。1961年に創立された「日本クレジットビューロー」が提供している国際ブランドです。
アメリカ以外の国で、こうしたクレジットカードの国際ブランドが提供されるのは珍しく、
- 中国の「銀聯カード」が登場するまでは、アメリカ以外の国で、唯一の国際ブランド
…となっていました。バブル期の日本は「世界第2位の経済大国」だったので、これができたわけですね。そして、今は中国が世界2位なので、銀聯カードが認知されてきた…ということです。
といっても、銀聯カードはいまのところ海外ではデビットカードのような使い方しかできないので、厳密な意味ではクレジットカードの国際ブランドと呼べません。そういった意味ではJCBはアメリカ以外で唯一のクレジットカードの国際ブランドと言えそうです。
JCB一般カード【JCB ORIGINAL SERIES】の概要
JCB一般カード【JCB ORIGINAL SERIES】の詳細情報はこちら
年会費 | オンライン入会で初年度無料(次年度以降:1,250円+税) |
---|---|
ポイント還元率 | 0.5%~0.75% |
審査難易度 | ランクB 上級クラス |
発行期間 | 最短3営業日 |
JCBはアメリカン・エキスプレス・カードと提携している
実は、JCBはAMERICAN EXPRESS(アメリカン・エキスプレス)と提携しています。なので「それぞれの加盟店で、どちらのカードも使える」ようになっているんですね。これは日本人でも多くの人が知らず、JCBのクレジットカードを使っている人すら、知らないくらいです。
(実は、私もつい最近知ったのですが…)
海外でも安心! アメックスが使えれば、JCBも使える可能性あり!
なので、たとえば店頭で「対応しているクレジットカードがアメックスだけ」とわかった時も、JCBを持っていれば、それで決済できる、ということです。もちろん、日本では「アメックスだけ」ということはめったにないのですが、海外だったらよくあります。
JCBは海外旅行では不便とよく言われますが、こうした提携があるので「アメリカン・エキスプレスが普及している地域だったら、意外と便利」なわけですね。ただ、日本人も知らないくらいのルールなので、現地の店員さんも知らないことが多いです。なので、「これは提携しているから使える」ということを説明する手間がかかるかも知れませんが…(というか、大体かかります)。
アジア・ハワイ・グアムでは、問題なく使える
「海外旅行ではあまり使えない」と書きましたが、
- アジア
- グアム
- ハワイ
などの「日本人がよく訪れる国・地域」であれば、JCBはかなり使えます。特に「韓国・中国・台湾・シンガポール」あたりは、「もう、日本とほぼ同様にJCBが使える」と考えてください(特に韓国は非常に使いやすいです)。
逆に、私が今まで言った国・地域では「インド・アフリカ」は全然使えません。空港でも使えないので、こうしたエリアに海外旅行に行く時などは、VISA・Masterのどちらかのカードを持っておいた方がいいでしょう。
(クレジットカードの審査を受ける時間がないなら、先に書いたVISAのプリペイドカードである「Vプリカ」を発行して行く…という方法もあります)
JCB本体が、クレジットカードを発行している
JCB(ジェイシービー)とVISA・Masterの大きな違いとして、
- JCBは「決済業務」だけではなく、
- 自ら「クレジットカードの発行」もする
…という点が挙げられます。つまり、
- 銀行や百貨店が発行する「JCBカード」もあるし、
- JCBが自ら発行する「プロパーカード」もある
ということです。「プロパーカード」という単語が登場したので、これについて詳しく書きます。
プロパーカードとは?
英語で「プロパー」(Proper)とは「固有」という意味。つまり、プロパーカードというのは「固有のカード」ということ。「オリジナル」というと、わかりやすいかも知れません。だからこそJCBの上位プロパーカードは、「JCBオリジナルシリーズ」なのです。
「三井住友カード、ライフカード、JAL、ローソン」などの「よそ者」が発行しているカードではなく「JCBが発行する固有のカードですよ、オリジナルですよ」という意味ですね。(別に、三井住友カードなどが発行すると悪いというわけでは、もちろんありません)
プロパーカードはステータスが高く、サービスも上質
で、こうした「プロパーカード」だと何がいいのか。これは通常のクレジットカードに比べて、
- サービスが充実している
- ステータスが高くなる
という点があります。JCBの場合は「ステータス」よりも「サービス」でのメリットが大きいです。つまり、普通のクレジットカードより、
- 受けられる保証が大きくなる
- ポイント・マイルがよく貯まる
…といったメリットですね。
JCB CARD EXTAGE(エクステージ)の概要
JCB CARD EXTAGE(エクステージ)の詳細情報はこちら
年会費 | 無料(29歳以下の若者&5年間限定) |
---|---|
ポイント還元率 | 0.75%~1.5% |
審査難易度 | ランクB 上級クラス |
発行期間 | 最短3営業日 |
なぜ、プロパーカードの方がサービスがいいのか
これは「カード会社などの中間マージン」がないからです。普通のクレジットカードの場合、たとえば「ライフカード」が発行するものだったら、
- あなたが「利息」を払う
- 「ライフカード」がそれを持っていく
- その残りを、JCB(日本クレジットビューロー)がもらう
…という風になります。見ての通り「JCBの取り分が少ない」ということですね。しかし、これがJCBのプロパーカードだったら「全部の利息・手数料を、JCBが持っていける」というわけです。
なので、JCBとしては「プロパーカードが、どんどん増えると嬉しい」わけです。なので、通常よりも還元率などのサービスが充実するわけですね。
最終的には「自分のライフスタイル」で決める
ただ「還元率」や「サービス」については、必ずしもプロパーカードが有利とは限りません。というのは、
- いつも買い物する百貨店などが決まっている場合、
- その百貨店が発行するクレジットカードの方が、
- 「その百貨店の買い物では」断然還元率が高くなる
ということです。これは当たり前ですね。彼らとしては「買い物してくれれば、その商品の販売による収益」が、まず最初に入るわけですから。その上「クレジットカードの利子」も稼げる、ということことですね。
「商品の販売」で利益を出せる以上、「利息の方は、多少少なくてもいい=その分を還元してくれる」という風になるのです。なので、「いつも買い物する店やサイトが決まっている」という場合、プロパーカードより、これらの流通系などのクレジットカードの方がいい、というわけです。
JCBゴールドカード【JCB ORIGINAL SERIES】の概要
JCBゴールドカード【JCB ORIGINAL SERIES】の詳細情報はこちら
年会費 | オンライン入会で初年度無料(次年度以降:10,000円+税) |
---|---|
ポイント還元率 | 0.5%~0.75% |
審査難易度 | ランクA 難関クラス |
発行期間 | 最短3営業日 |
AmericanExpress(アメリカン・エキスプレス)…ステータス№1
アメリカン・エキスプレス(AmericanExpress)は、通称「アメックス」として知られる「ステータスの高さで、ナンバーワンのクレジットカード」です。「アメックスのセンチュリオン」(ブラックカード)といえば、富裕層のシンボルとして、憧れている人も多いでしょう。
戦車ですら買える! 脅威のステータスカード
一説によれば、アメックスのセンチュリオンでは「戦車すら買える」ということです。本当かどうかはわかりませんが、要は「限度額が特に決まっていない」ということですね。「この人だったら、何千万買い物しても、翌月には払ってくれるだろう」と、アメリカン・エキスプレスが信用している、ということです。
と、ブラックカードは破格のレベルなので、多くの人にはあまり縁がないでしょうが、もっと下位ランクのアメックスカードであれば、割と簡単に発行できます。
アメリカン・エキスプレス ゴールド・カード/ザ・ペニンシュラ東京
アメリカン・エキスプレス ゴールド・カード/ザ・ペニンシュラ東京の詳細情報はこちら
年会費 | 29,000円+税 |
---|---|
ポイント還元率 | 0.3~1.0% |
審査難易度 | ランクAA 最難関クラス |
審査の日数 | 最短10営業日 |
アメリカン・エキスプレスのカードのランキング
AMERICAN EXPRESS(アメックス)のカードのランキングは、低いもの(発行しやすいもの)から順に、下のようになっています。
- グリーン
- ゴールド
- プラチナ
- ブラック
…という風です。「ブラックの上に、ダイヤモンドがある」という噂もありますが、そのレベルは、多分「年収何億」というレベルなので、ほとんどの人には関係ありません(また、おそらくダイヤモンドのカードではなく「ブラックで、そのままサービスが手厚くなる」という風でしょう)。
で、こういうランキングを「下から順番に登っていく」というのが、アメックスの「出世コース」です。それぞれ、どのくらいのレベルなのかを、一覧にします。
アメックスの各色カードの審査基準
どのクレジットカードやキャッシングの審査基準でも同じですが「必要年収」などは、ハッキリと決まっているわけではありません。なので大体の目安ですが、アメックスの場合、下のように言われています。
- グリーン…年収250万円~300万円程度
- ゴールド…年収350万円程度、グリーンから1年
- プラチナ…年収は基準なし、ゴールドから3年程度
- ブラック…「年間1000万円以上利用する」などの噂
…という風です。繰り返しますが、年収などはあくまで参考程度にしてください。
アメックスは外資系ということもあり、日本のクレジットカード会社とはかなり審査基準が違っています。日本人は「職業・属性・個人信用情報」など「過去」や「肩書」を重視します。しかし、アメックスは「支払い状況」など「今のその人の、お金の使い方」だけを見ることが多いのです。
見るのは過去ではなく現在! アメックス独自の審査基準があります
アメリカン・エキスプレスのこの「過去にこだわらない」という審査基準を象徴するものとして、「自己破産から2年で、審査に通った」という方の体験談があります。(本当かどうかはわかりませんが、割と信用できる体験談でした)
もちろん、この方は普通の自己破産者とは違うでしょう。おそらく会社経営者などの方で「事業の行き詰まり」などによって、やむなく自己破産された方だと思われます。
そうした方の場合、事業で復活したら「いきなり年収数千万」ということもありますし、その事業の決済をクレジットカードでしていたら「年間1000万円の決済」などということも、しばしばあるわけです。
自己破産から数年でも、審査に通った人も
そういう人だと、アメリカン・エキスプレスは審査に通してくれる確率が高い、ということですね。「確かにブラックリスト入りしているが、今のこの人は、しっかり支払能力を持っている」と判断してくれるわけです。このように「現在」で評価してくれるというのは、いかにもアメリカらしい文化だといえます。
(と、私がクレジットカードの強制解約になって、しばらく普通のクレジットカードは発行できないので、余計にそう思うのですが…。笑)
というように、アメックスはステータスの高さもありますが「審査基準が、他のクレジットカードとはだいぶ違っている」という点にも、特徴があります。
アメックス・グリーンから使い始めていきましょう
もしアメックスのセンチュリオン(ブラックカード)を持ちたいと思っている方がいたら、とりあえず一般カードのグリーンカードの発行から始めましょう。『アメックス・グリーン』は一般カードと言っても年会費もサービスも他社のゴールドカードクラスです。
以前は審査が厳しいと言われていたアメックスですが、最近では「グリーンカードなら、だいぶ発行しやすい」状況になっています(決して審査が甘いわけではありませんが)。
まずはグリーンを発行し、遅延・延滞なく支払う
グリーンカードなら、新卒の会社員でも発行できるレベルなので、通常の会社員・OL・公務員の方なら問題なく審査に通ることが多いでしょう。もちろん、その人のクレジットヒストリーなどの諸条件によるので、一概には言えませんが、審査に通る確率は高いと考えてください。
そして、後は「遅延・延滞なく利用する」「毎月、できるだけ多く利用する」という二点を守っていけば、
- グリーンから1年…ゴールドへ
- ゴールドから3年程度…プラチナへ
…というようにステップアップしていくことができます。年数についてはあくまで目安ですが、多くの口コミ・評判を参考にすると、このようになります。
(ガンガン決済すれば、「ゴールド→プラチナ」は、もっと短期間で行ける可能性もあります)
アメリカン・エキスプレス・カード(グリーン)の概要
アメリカン・エキスプレス・カード(グリーン)の詳細情報はこちら
年会費 | 12,000円+税 |
---|---|
ポイント還元率 | 0.4~1.0% |
審査難易度 | ランクC 一般クラス |
審査の日数 | 3週間以上 |
アメックスカードの年会費一覧
アメリカン・エキスプレスは、海外旅行などのサービスが充実している代わりに「年会費が高い」というポイントがあります(これはデメリット・短所ではありません)。
この年会費の高さがあってこそ「ステータスの高いクレジットカード」として知られているので、これをデメリットと思う人だったら、アメックスには手を出さなければいいだけの話です。で、その年会費を一覧にすると、
- グリーン…1万2000円
- ゴールド…2万9000円
- プラチナ…14万円
- ブラック…37万8000円(入会金で、別途54万円)
…という風です。ちなみに「ほとんどのクレジットカードは、年会費無料」なので、グリーンの段階から、すでにアメックスの年会費は高い…、ということがわかるでしょう。(繰り返しますが、だからこそいいわけです。「お金がない人」は持てないので)
アメックス・ゴールドのステータスとサービスで十分
多くの人にとって現実的なのは「アメックス・ゴールド」まで、ですが、ゴールドでもたとえば「レストランで2名で食事した場合、1名が無料になる」などの特典があります。たとえば1回のディナーが5000円としたら、それで6回食事したら、元が取れる計算です。そして、それ以外の「ポイント・マイルの還元」などもあるわけですから、「むしろ、かなり得」と考えていいでしょう。
(こうした生活をしている、あるいはしたい人にとっては、ですが)
アメリカン・エキスプレス・カード(ゴールド)の概要
アメリカン・エキスプレス・カード(ゴールド)の詳細情報はこちら
年会費 | 29,000円+税 |
---|---|
ポイント還元率 | 0.4~1.0% |
審査難易度 | ランクAA 最難関クラス |
審査の日数 | 3週間以上 |
アメックス・ブラックは初年度91万円! そうとう特殊なカード
なお、ブラック(センチュリオン)の年会費の高さは、やはり圧倒的です。2007年までは「16万円」と、今のプラチナなみに安かったのですが、それが値上げされました。(しかし、これも普通の人がさらに持てなくなったという点で、ステータスの高さを誇示したい人にとっては、有利なことです)
で、センチュリオンの年会費を計算すると、初年度は合計で「91万8000円」かかる、ということです。ほぼ100万円に近い金額ですね。
株式会社の設立でも20万円程度しかかからないことを考えると、アメックスのブラックカードが、いかに別格のものかがわかるでしょう。そうとう特殊な事情がない限り、一般市民には縁が無いカードと言えそうです
なぜブラック(センチュリオン)をそれでも求めるのか?
このブラックカード自体に価値があるというより「そこに至るまでの道程」に、価値があると考えた方が良いかもしれません。つまり、
- これだけの富裕層に一代でなるのは、かなり難しい
- しかし、それをやるだけの行動力・能力が、その人にはあった
…という証明になる、ということですね。「ステータスを誇示する」というと、ただの見栄っ張りと思う人も多いかも知れませんが「武士のプライド」と似たようなもので「格好をつけるにも、努力がいる」のです。
そういう意味でアメックスのステータスを見ると、プラチナやブラックを目指す方にとっては、モチベーションが上がるかも知れません。
DinersClub(ダイナースクラブ)…世界初のステータスカード
Diners Club(ダイナースクラブ)が発行する『ダイナースカード』は、クレジットカードに疎い人だと、あまり知らないかも知れません。しかし、アメリカン・エキスプレスと並んで、世界最高峰のステータスを持つ国際ブランド…として有名です。
AMEXを凌ぐ、世界最高峰のステータスカード!
どのようにステータスが高いのかというと、
- 最下位のグレードでも、
- 普通のクレジットカードの「ゴールドカード」並の年会費が必要になる
- 審査基準も、普通のゴールドカード並
…ということです。つまり「一番低いグレードでも、審査が厳しいし年会費が高い」ということです。このようにハードルが高く「持てる人が限られている」ということから、ステータスの象徴になるわけですね(この点は、アメリカン・エキスプレスと同じです)。
銀座ダイナースクラブカードの概要
年会費 | 25,000円+税 |
---|---|
ポイント還元率 | 0.4%~2.0% |
審査難易度 | ランクS プラチナクラス |
審査の日数 | 最短3営業日 |
JCBの使える店舗なら、利用できる
日本の店舗では「ダイナース」のロゴはあまり見かけないので、「日本ではあまり使えない」というイメージを持たれているかも知れません。しかし、実はアメックス同様、
- JCBと提携しているので、
- JCBが使える店舗なら、ダイナースも使える
というシステムになっているんですね。もちろん、この逆もOKで、
- 「ダイナース」のロゴがある店舗(海外など)で、
- 「JCBのクレジットカードを使う」ことも可能
…となっています。ただ、これもアメリカン・エキスプレスの時と同様に「現地の店員さんに説明する」という手間はかかります。
アメリカやカナダでは、Master Cardとも提携
また、Diners Club(ダイナース)は、北米大陸(アメリカやカナダ)では「Master Cardとも提携」しています。つまり、JCBと同様「Master Cardが使える店舗なら、ダイナースも使える」ということですね。
Master Cardが使える店舗は、北米でも当然多いです。なので、カナダやアメリカで生活・旅行する人であれば、ダイナースの使い勝手はかなりいい…と考えてください。日本でも「JCBの使える店舗」は多いので、かなり幅広く利用できる…と考えていいでしょう。
ダイナースクラブカードの概要
年会費 | 22,000円+税 |
---|---|
ポイント還元率 | 0.4% |
審査難易度 | ランクS プラチナクラス |
審査の日数 | 最短3営業日 |
UnionPay(銀聯カード)…中国発のクレジットカードブランド
最近の中国人の「爆買い」で「銀聯カード」の存在を知った日本人もたくさんいるでしょう。実際、日本でも銀聯カードを使えるところはかなり増えています。
(私は札幌在住ですが、北海道は中国人観光客が特に多いので、銀聯が使える所が、かなりあります)
銀聯カードは、正確には「クレジットカード」ではなく「デビットカード」です。デビットカードの仕組みについては先に書いた通りです。
- 銀行口座と連動しているので、
- 口座に入金されている分だけ、使える
…ということですね。
MUFG 銀聯カード(ぎんれん) UnionPayの概要
MUFG 銀聯カード(ぎんれん) UnionPayの詳細情報はこちら
年会費 | 無料※発行手数料1,000円+税 有効期限は5年間 |
---|---|
ポイント還元率 | 1.0% |
審査難易度 | 三菱UFJニコスのMUFGカードに準じる※利用者が申し込める追加カード |
審査の日数 | 最短1営業日 |
三井住友カードや、三菱UFJニコスで発行できる
銀聯カードを持つというと「中国の銀行などで発行しなければいけない」というイメージがあるかも知れませんが、実は日本で発行できます。銀聯カードは、
- 三井住友カード
- 三菱東京UFJニコス
と提携しているので、これらのカード会社で発行できるわけですね。(これらの会社で発行するクレジットカードの「オプション」としても、作ることができます)
中国では、国際ブランドよりも使いやすい
中国では、VISA・Master・JCBなどの国際ブランドより、この銀聯カードの方がよく使えるようになっています。知っての通り、中国は「共産党が、強引にあらゆる政策を進める」ので、「中国の国威発揚」のために、銀聯カードの使用を、政府が積極的にすすめるわけですね。
なので、日本やアメリカなどの「自由経済」の国とは、まったく違う理由によって、銀聯カードを使える店舗が多くなっているのです(政府の力は、やはり圧倒的です)。
中国でのビジネスや留学のお供として活用
なので、中国に旅行したり、あるいは留学・生活したりする場合には、銀聯カードを事前に発行して行くと便利でしょう。先に書いた通り、三菱UFJニコスや三井住友カードで発行できるので、敷居はそれほど高くありません。(デビットカードなので、審査も非常に通りやすいです。デビットカードはクレジットカードと違い、借金ではないですからね)
Discover(ディスカバー)…アメリカ国内向け百貨店ブランド
最後に紹介する国際ブランドはDiscover(ディスカバー)。しかし、これは日本人に取っては、特に持つメリットはありません。
ディスカバーは、1985年にアメリカの大手百貨店・シアーズが誕生させたブランドです。日本で言うなら「三越」や「丸栄」などが、クレジットカードのブランドを作った…というようなイメージですね。
アメリカの百貨店シアーズの御用達カード
なので、当然ですが「シアーズで買い物する人」にとっては、ポイント・マイルの還元率も圧倒的に高く、メリットがあったわけです。なので、7大国際ブランドにカウントされるまでに、成長しました。
しかし、これも当然ですが「日本人がシアーズで買い物することは、ほとんどない」ので、日本人だったら、Discover(ディスカバー)を持つメリットは特にありません。あって損はないですが、それでも「盗難・紛失による、不正利用」のリスクを考えると、必要がなければ発行しない方がいいでしょう。
アメリカによく行く人は、メリットがある
もちろん、アメリカによく旅行に行く人、あるいは生活・留学しているという人であれば、Discover(ディスカバー)のクレジットカードを持つメリットは、多いにあります。こうした方なら、シアーズなどの店舗で買い物することも多いでしょうからね。
また、ディスカバーはアメックス・ダイナースと同様に「JCBと提携している」という点も見逃せません。つまり、日本でJCBが使える店舗であれば、ディスカバーも(基本的に)使える、ということです。
(逆に、海外でディスカバーを使える店舗で、JCBのクレジットカードを使うことも可能、ということです)
そういう点で、意外と使いやすいクレジットカードなのですが、個人的にはあえてディスカバーにこだわる必要は、ほとんどないと思っています。(あくまで、アメリカによく行く人のためのカードですね)
以上、VISA・Master・JCB・AMEXを中心に、クレジットカードの国際ブランドについて、それぞれの特徴・メリットなどをまとめてきました。どの国際ブランドでクレジットカードを発行しようか迷っている…という方は、参考にしていただけたら幸いです。
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